銀行融資は審査が超厳しい?審査通過のポイント解説

会社経営者にとって事業資金の調達は重要課題のひとつ。資金ショートは会社の信用に関わる問題ですから、万全の対策をとっておきたいもの。

資本金が豊富でも、資産は残したまま資金調達できる融資先を確保しておけば事業の運営も楽ですね。

事業資金の借り入れ先として真っ先に銀行を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか?今回は銀行融資について解説していきます。

事業資金の借り入れ先の選び方。その資金は銀行融資が適切?

事業資金は主に設備資金と運転資金の2種類です。

事業内容によりますが、事業開始には設備が必要となりますので開業資金のために設備資金を調達しなければいけません。

必要な金額は規模によりますが、数千万円以上になることも多く、長期間に渡って返済することになるでしょう。こういった場合、資金の借り入れ先は低金利の銀行や日本政策金融公庫を優先して考えるのが良いでしょう。

運転資金は簡単に言えば毎月かかる経費のことです。人件費、商品の仕入れ代、事務所の家賃・光熱費・通信費といった経費があげられます。経費には売上に関係なく必要となる固定費と売上と連動して変わる変動費があります。

特に固定費は毎月必ず一定額のお金が必要となるものですから、資金がショートしないよう注意しなければいけません。

もちろん毎月金利が低いところから借りるのが最適ですが、急ぎの場合でも対応できる融資先を確保しておくのも忘れないでおきたいところです。

日本政策金融公庫は開業資金・運転資金問わずおすすめ

国の政策を反映する公的金融機関の日本政策金融公庫は、事業資金の調達先として最適です。低金利で融資を受けられるだけでなく、審査に通りやすい、コンサルを受けられるといったメリットがあります。

日本政策金融公庫は小口の融資でも低金利で受けられるのも魅力です。銀行とは違って制作によって融資するので、利益確保よりも中小企業の育成に力を入れています。

融資には時間がかかるのと連帯保証人が必要なのがネックですが、それさえクリアできれば開業資金・運転資金どちらの融資にも最適な金融機関です。

担保があるなら銀行融資

事業資金の調達先として最も一般的なのが銀行です。

担保提供できるものがあれば低金利で借り入れることができるので長期借り入れでも安心です。特に設備資金を借りる際は銀行を優先するのが良いでしょう。

担保として認められるのは不動産、株式難度の債券、預金などです。根抵当権や根質権を設定すれば繰り返し借りることもできます。

担保がなくても保証協会の保証を受けることができれば第三者の保証人不要で銀行から融資を受けることも可能です。

短期の利用ならノンバンクという手もある

銀行のカードローンは事業資金に利用することができませんが、ノンバンク系の一部のカードローンは事業資金の利用も可能です。金利は高いですが融資スピードが早いので緊急かつ短期の資金調達の場合には最適です。

事業主なら知っておきたい!銀行融資におけるプロパー融資と保証付き融資の違い

金融機関からの融資は主に3種類あります。

  • プロパー融資
  • 信用保証付き融資
  • 公的融資

その他にもビジネスローンやファクタリングといった資金調達方法もあります。

プロパー融資は信用第一

銀行融資には「プロパー融資」と「信用保証付き融資」の2種類があります。

銀行としては融資したお金に金利を上乗せして滞りなく返済してもらわなければいけません。

信用保証付き融資なら、万が一融資した企業が返済できなくなったとしても信用保証協会が代理で返済してくれるので、銀行側にリスクが少なく前向きに検討してもらえるでしょう。

一方、プロパー融資となると銀行は自分たちで貸し倒れリスクを被るので、融資の可否の判断は慎重に行われます。

かなり厳格な審査であることは間違いないですが、逆に言えばプロパー融資を受けられれば銀行からの信用は得られている証拠ということにもなります。

融資額に上限なし

プロパー融資のメリットをひとつあげるとすれば「融資額に上限がない」ことです。

信用保証付き融資だと、

  • 担保あり:上限2億8000万円
  • 担保なし:上限8000万円

このように融資額に上限があります。少額の借り入れを希望するなら上限額はさほど気にする必要はありませんが、プロパー融資の場合はすべて銀行側の独自判断で融資額の上限を決めるという特徴があります。

大口の融資を希望するなら、上限が定められているかどうかで選択の幅は大きく変わってきます。

信用保証付き融資の場合、連帯保証人になってもらうために保証料を払わなければいけません。保証会社としても万が一のリスクに備えければいけないからです。

対して、プロパー融資は銀行が直接融資するので保証料はかかりません。そのうえ、保証会社の審査は不要となります。

銀行から十分な信用を得られているのであれば、プロパー融資は積極的に取り入れたい資金調達先と言えるでしょう。

金利交渉引き下げ交渉も可能

銀行融資は他のローンとは違って金利○%~○%、限度額最高△△万円といったことは定められていません。

希望限度額や返済期間に応じて金利引き下げを交渉することも可能です。

いきなりひとつの銀行に絞らず他行との融資条件を比較したうえでその中でも特に条件の良い銀行から融資を受けるようにしましょう。

プロパー融資は銀行だけでなく信用金庫でも利用可能です。ただ、大口の融資を希望するなら資金が潤沢な金融機関を選んだほうが良いです。

信用金庫は資金力で劣りますので、大口融資ならメガバンクなど資金潤沢な銀行を中心に選ぶほうが良いでしょう。

審査のポイント

基本的にプロパー融資は信用保証付き融資よりも審査基準が厳しくなります。

銀行から返済能力が十分備わっていると認められる必要があります。判断基準はいくつかありますが、まずは純利益です。税金等を差し引いて最終的に手元に残る利益のことです。

どんなに売上金が高くても、利益がなければ返済に回せる資金を確保できないのでリスクが高いと判断されてしまいます。

また、融資を受けるには損益計算書や貸借対照表などの決算書が必要です。これらの書類から売上と利益、資産と負債を知ることができ、財務状況や自己資本率を調査しています。

売上だけでなく全体的な財務状況を調べたうえで融資の可否を決めるということです。

意外と見落としがちですが、経営者の人的評価も行われます。銀行の融資担当者も人ですから、経営者の態度や言葉使いが悪い人よりも真面目で丁寧な言葉使いをする人へ融資したいと考えるのは当たり前のこと。真摯な態度で融資に臨みましょう。

プロパー融資にはデメリットあることも理解しておこう

プロパー融資はメリットが豊富ですが、デメリットもあるのできちんと抑えておきましょう。

デメリットは融資に時間がかかるということです。いくら条件を満たしていても、資金が必要となったときに間に合わなければ意味がありません。

プロパー融資は基準が厳しいため、融資が実行されるまでに1ヶ月以上かかることも珍しくありません。

他には提出する書類が多岐にわたること、面談が複数回あるなど手間が発生することも理解しておきましょう。

銀行融資の審査は厳格

銀行融資は借金である以上、誰にでも貸してくれるわけではありません。最後まで滞りなく返済してくれるかどうか、銀行は審査を通じてその判断をします。

銀行が直接融資するプロパー融資は、銀行の責任のもとに融資実行され、万が一融資先の企業が倒産した場合の損害は融資した銀行が負うことになります。だからこそ、銀行融資は厳格に審査が行われます。

公的関連融資で実績を上げてから銀行融資を受ける

銀行と取引がない事業主がいきなり融資を受けるのはとうてい無理な話。恐らくまともに相手してくれないでしょう。

銀行は実績主義ですから、融資の取引がある企業とない企業では対応に雲泥の差があります。

銀行との取引がない場合は、まず公的機関である日本政策金融公庫の融資、もしくは信用保証付き融資を受けてみましょう。その融資実績をもとに銀行のプロパー融資を受けるのが良いでしょう。

ノンバンクの事業者ローンは利用しない

銀行融資を受ける際に気をつけたいのが、ノンバンクの事業者ローン(ビジネスローン)の利用です。

ビジネスローンは、提出する書類が少なく融資実行が早いので資金が急ぎ必要な場合に重宝される方法ですが、ノンバンクのビジネスローンを利用することを銀行は嫌います。その段階で融資審査をストップする銀行も少なくないです。

ビジネスローンは非常に金利が高いので、安易にそのような方法で借り入れしてしまうような事業主の姿勢に不安を感じるからです。緊急で資金を調達しなければいけないという場合でない限り、ビジネスローンは利用すべきではありません。

銀行融資の審査で重要なポイント

銀行融資の審査で重要となるポイントはなんでしょうか?

決算書の実績に基づき信用格付け

銀行融資では融資対象の企業の決算書の実績をもとに信用を格付けします。

信用格付は次の6段階に分類されます。

1. 正常先
2. 要注意先
3. 要注意先(要管理先)
4. 破綻懸念先
5. 実質破綻先
6. 破綻先

信用格付は2割が銀行融資担当者の数値に表れない評価、残りの8割は決算書などの実績数値が中心となります。

つまり銀行融資のキモに値するのが決算書の実績ということです。もちろん細かい経営数値もチェックされますが、真っ先に信用格付を見るのです。

信用格付が高いほど銀行融資の審査に通りやすくなります。

事業資金がどのように使われるか

銀行は融資したお金を事業資金としてどのように使用するのかにも注目します。

設備資金であれば目的のとおりに使用されているか、短期資金なら運転資金として使用されているか、長期に渡り売上・利益の増加につながるかその都度チェックします。

もし、事業資金を申告したものとは別のことに使用していたなど判明すれば、銀行からの信用を一気に失います。それだけでなく銀行から融資を引き上げられてしまうでしょう。

当初の目的以外には絶対使用しないことです。

借り入れ希望額の妥当性・合理性

借り入れ希望額が妥当かどうか、合理性があるかどうかを会社の規模と決算書の内容から判断します。

たとえば、運転資金なら年間の売上高を12で割った月商で計算し、月商3ヶ月分を超える金額で申し込みしてきた場合は過大申し込みと判断し否決とします。設備資金なら、会社の規模と従業員数をもとに過大かどうかを判断します。

安定した返済が可能か

銀行側としては融資実行後のお金を滞りなくきちんと返済できるか?も重要なポイントとして審査します。安定した返済が無理と判断すれば融資は実行してくれません。

安定した返済が可能かどうかの判断材料は、返済財源が主となります。法人の場合は決算書の損益計算書、個人事業主の場合は確定申告書で確認します。

法人の場合は、売上高から仕入れ代・経費等を引いて、そこに営業外損益を加減して経常利益を計算します。返済財源は経常利益と減価償却費で求められます。個人事業主は法人よりも仕組みは簡単ですが返済財源の求め方は同じです。

年間の返済額に対して返済財源が十分に確保できているか、もし不足している場合はそれをカバーするものが他にあるかが審査でチェックされます。

人的担保・物的担保

銀行は融資審査において、企業が返済途中で倒産して融資が焦げ付くことを懸念しており、万が一のリスクに備えたいと考えています。そこで銀行は、人的担保または物的担保を融資の条件として補填します。

人的担保とは要するに連帯保証人のことですが、近年は金融庁の指導によって保証人をつけるのが難しくなっています。

特に個人事業主の場合は、両親や配偶者など保証人を受けることが難しいです。ですから、確実に融資を受けるにはより良い事業実績を出す必要があります。

ただし、法人代表者の場合は法人が債務者であれば連帯保証人にならなければいけません。

計画的に自己資本を貯めてきたか

融資審査では、計画的に自己資本をためてきたかどうかも重要です。

法人積立などで自己資本をコツコツと積み立てていれば評価は高くなります。真面目に自己資本を貯めることができる人は事業そのものの管理能力が高いと評価され融資審査に通りやすくなります。

銀行融資の書類審査3つのチェックポイント

銀行融資を受けるには、いくつもの書類を提出しなければいけません。それらの書類をもとに銀行は融資の審査を行いますが、銀行は書類で何をチェックしているのでしょうか?

銀行融資の審査において書類で主にチェックされるのは次の3つです。

  • 事業を営んでいるか
  • 借り入れする理由
  • 返済能力

事業を営んでいるか

融資申し込みしてきた企業が本当に事業を営んでいるか、どのような事業活動をしているのかを確認します。

場合によっては、実際にオフィス訪問することもあります。

事業実態を確認するための書類

事業実態を確認する書類は銀行融資の種類によって異なりますが、基本的には次のような書類が必要になります。

  • 法人登記謄本
  • 納税証明書
  • 銀行通帳
  • 前記分の元帳
  • 確定申告書
  • 直近3期分の決算書

公認会計士や税理士に決算してもらっていない場合、決算に関する書類は納税証明書や確定申告書だけとなりますので注意してください。個人事業主は印鑑証明も必要です。

借り入れする理由

なぜ借り入れするのか、具体的に何に使うのかその理由が重要です。銀行融資は使いみちが限られています。基本的には設備資金か運転資金のどちらかとなります。

使いみちによって融資条件が異なるので、借入額・金利・返済期間・担保の有無などの条件、さらには提出する書類も変わります。

借り入れを確認するための書類

設備投資の場合は導入予定の設備の見積書、運転資金の場合は直近3期分の決算書と前期分の元帳が必要です。

返済能力

最も重要なポイントとなるのが期日までにきちんと返済できそうか否かです。資金繰りが厳しい状況で申し込むとなると、かなり厳しく審査されます。

【返済能力を確認するための書類】
返済能力を確認する書類は主に事業計画書と資金繰り表の2つです。融資実行後の事業はどうなっていくのか、資金はいつごろ返済できるのかなどの予定表です。

過去の売上規模や利益から現実的に見て、達成できるであろう見込みを提出するようにしましょう。

すでに借り入れしている場合は借入残高がわかる書類も提出します。

担保が必要な場合は、担保に関する書類も提出しなければいけません。不動産担保なら不動産登記謄本、保証人をたてるなら住民票や印鑑証明書(個人の場合)、登記謄本(法人の場合)が必要になります。