住宅ローンの借り換えって本当に得するの?知っておきたい借り換えの知識

住宅ローンを借り換えするとお得になると聞いたことがある人は少なくないはずです。確かにお得になるなら誰もが借り換えたいと思うところでしょう。

しかし、いざ借り換えを考えても具体的にどうすれば良いのかわからないという人も多いでしょう。今回は住宅ローン借り換えについて詳しく解説していきたいと思います。

住宅ローンの借り換えはしたほうが良いの?借り換えのメリットとは?

今よりも良い条件の住宅ローン商品があれば、借り換えしようか考える人もいるでしょう。

しかし、本当に住宅ローンを借り換えしても良いものだろうか?どんなメリットがあるのか?といった点が気になるところでしょう。

何を目的として住宅ローンを借り換えるのか?を明確にすること

住宅ローンの借り換えは、何を目的としているのか?を明確にすることが大切です。なぜなら目的によって最適な住宅ローンが違ってくるからです。

住宅ローンの借り換え目的として多いのが次の3つです。

総返済額を抑えたい

低金利の住宅ローンに借り換えることで、利息を減らし総返済額を抑えることができます。負担が軽くなった分を貯金に回すなどすれば、自由に使えるお金が増える、老後の生活資金に余裕をもたせるといったメリットがあります。

万が一の金利変動に備えたい

変動金利型の住宅ローンを組んでいるなら、金利が上がってしまうと毎月の返済額が増えて家計の負担は大きくなるうえに、総返済額も増えてしまいます。

金利が上がったら返済が苦しくなりそう、金利上昇が不安だというのであれば、低金利である今のうちに全期間固定や固定できる期間が長い住宅ローンに借り換えることで、金利変動のリスクに備えることができます。

毎月の返済額を抑えたい

低金利のものに借り換える、または返済期間を延長可能なものに借り換えることで毎月の返済額を抑えることができます。

教育費の出費や収入減などで今の返済が苦しい場合は効果が大きいです。ただし、総返済額が増えるリスクがあるので注意が必要です。

住宅ローンの借り換えはいつすれば良いのか?

住宅ローンの借り換えはどのタイミングでするのが良いのでしょうか?

金利が上がり始めたら固定金利にしようかと考える人は多いです。

しかし、変動金利と固定金利では金利の動き方が異なるため、変動金利が上がり始める頃にはすでに固定金利は上がっているケースも珍しくありません。つまり上がり始めた頃に借り換えを考えるのでは遅いということです。

とは言え、金利上昇のタイミングを見極めるのは至難の業。金利変動のタイミングを見極めるのではなく、借り換えすることで目的を達成できるならば早めに健闘するのが良いでしょう。

現在の住宅ローンの内容を正しく理解して比較することが大切

住宅ローンの借り換えをするのが良いかどうかは、現在の住宅ローンの内容を正しく理解することが大切です。意外にも間違った解釈、理解をしている人は多いです。

住宅ローンの借り換えを検討する際は、次の6項目を必ず確認しましょう。

1.返済期間がどれぐらい残っているか

住宅ローンの返済期間はあとどれぐらい残っているでしょうか?返済予定表に記載されている完済日を確認してみましょう。

残りの返済期間が長いほど、借り換えによって得られる効果は大きいです。逆に返済期間が残り少ないと、借り換えしても大した効果は得られません。むしろ諸費用や手数料によってまったく効果なしなんてこともあります。

2.現在の金利

住宅ローンの借り換えをするうえで重要となるのが現在適用されている金利です。

固定期間が終了して変動金利型に変わっているかもしれませんし、フラット35Sのように段階的に金利が変わるものもあります。必ず現在適用されている金利は確認しましょう。

3.金利タイプ

今利用中の住宅ローンの金利タイプも必ず確認しましょう。完済まで金利が一切変わらないものなのか、途中で変動するタイプのものなのかによって、借り換えの内容は違ってきます。

借り換えと聞くと返済負担を減らすことばかりに目がいきがちですが、将来の金利上昇のリスクを備えるという借り換えもあります。

どんな目的で借り換えするかを明確にするためにも金利タイプは重要なのです。

4.金利の固定期間はどれぐらいか?

金利が固定されるタイプなら、その固定期間はどれぐらい残っているでしょうか?全期間固定型なら現在から完済までの期間がこれにあたりますし、固定期間が15年で10年経過していれば残りの固定期間は5年です。

今の金利があとどれぐらい続くかによっても、借り換えする住宅ローンに影響します。

5.金利変動後の優遇

変動金利型と固定期間選択型では、基準金利から何%引き下げるかが契約時に約束されています。金利変動後や金利タイプを変える際は金利優遇が何%なのか見ておきましょう。

もし優遇の幅が小さければ、将来金利が上がったときに借り換えしても大した効果がない恐れも考えられます。

6.借入残高はいくらか?

借り換えは、現在の住宅ローンの借入残高を新たに借り入れします。借り入れ残高が多いほど利息を大きく削減できます。たとえ、金利があまりかわらなくても借入残高が多ければ十分な効果を得られるでしょう。

住宅ローン借り換え時も諸費用がかかる!どんなことに必要なのか?

新規で住宅ローンを利用する際、諸費用がかかりますが実は借り換え時も同じようにかかることをご存知でしょうか?

借り換えする際は、金利だけでなく諸費用も含めたトータルで比較・判断するようにしましょう。

借り換え時に必要となる諸費用

では、具体的にどんな諸費用がいくらぐらいかかるのか見ていきましょう。

印紙税

金融機関と金銭消費貸借契約証書を交わすには借入金額に応じた印紙税が発生します。借入額5,000万円以下は2万円、5000万円以上1億円以下は6万円の印紙税がかかります。

融資事務手数料

金融機関が融資実行する際に発生する手数料です。定額と定率の2種類あり、金融機関によって異なります。ネット銀行、フラット35は借入額の2%+消費税と高めです。

一般的な銀行だと3万円+消費税としているところが多いです。

住宅ローン保証料

借入額と返済年数によって決定します。金融機関によっては保証料なしとしているところもあります。ネット銀行は融資手数料が高めですがそのかわりに保証料が無料になるところが多いです。同様にフラット35も無料です。

抵当権設定費用

抵当権設定時にかかる登録免許税は借入額の0.4%です。通常は司法書士に登記申請を依頼するためそのぶんの報酬もかかります。依頼する司法書士によって報酬額は異なりますが7万円前後が目安です。

抵当権抹消費用

借り換え前の住宅ローンの抵当権を抹消するために必要な費用。上記同様に司法書士に依頼するため別途で報酬額も払わなければいけません。

事務手数料と保証料は金融機関によって大きく異なる

下記の諸費用はどの金融機関で借り入れしても基本的に料金は変わりません。

  • 印紙税
  • 司法書士報酬
  • 登録免許税

これに対し、下記の諸費用は借り入れする金融機関によって金額が大きく異なるので注意してください。

  • 融資事務手数料
  • 住宅ローン保証料

たとえば、融資事務手数料は最小で31,500円ですが、定率の場合だと数十万円単位で金額が変わってきます。借入金額3000万円で2.1%だった場合は事務手数料は63万円もかかる計算になります。

諸費用を現金で用意できない場合

諸費用は数十万円にもなるため、現金で支払うのが難しいという人もいるでしょう。現金で用意できない場合は、下記の方法を検討してみましょう。

保証料・手数料が安い住宅ローンを選ぶ

諸費用の大部分を占めるのが保証料と手数料です。諸費用を安く済ませたいのであれば、保証料なしの住宅ローンに借り換えるのは一つの手です。

ただし、保証料が安い分手数料が高い住宅ローンもあるので、必ず両方を確認しましょう。

金利に上乗せして支払っていく

保証料は一括支払いするだけでなく、金利に上乗せして毎月支払っていく方法もあります。この場合の金利は0.2%程度です。金利が高くなるため返済額が増えます。総返済額を抑えたい場合は注意が必要です。

諸費用分を借り入れする

金融機関によっては諸費用の借り入れも可能です。借入額に上乗せもしくは別途で諸費用ローンを利用します。ただ、実質的には借入残高が増えるので負担が大きくなる点に注意しましょう。

住宅ローン借り換えの審査は楽勝!?借り換え審査のポイント

どの住宅ローンに借り換えするかを検討する前に、借り換え可能なのかどうかを確認しましょう。審査に通らないことには借り換えできません。

また、今すぐに借り換えしなくても、将来借り換えするのにベストなタイミングが来たときにスムーズに借り換えできるように最適な状況を作っておくことも重要です。

借り換え審査で重要なのは「申請者の状況」

住宅ローンの借り換え審査で重要となるのが「申請者の状況」です。

以前申請したときから変わることなく、仕事や収入が安定しているならば、ほとんどのケースで問題なく審査に通る可能性が高いです。逆に、次のような変化があった場合は注意が必要です。

仕事が変わった場合

企業勤めの場合、正社員でいるかどうかが重要となります。当初は正社員だったのに、転職して派遣社員になっているような場合は、借り換え可能な住宅ローンは限定されます。

仮に、審査に通っても低金利で借り換えできる可能性はまずないでしょう。

また、転職後の勤続年数に要注意です。勤続年数が短ければ収入の安定性を疑われてしまい、借り換えできないこともあります。独立した場合は、実績は最低でも3年以上必要です。

もし、勤続年数が原因で借り換えができないならば年数経過を待ってから再度検討してみましょう。

収入源・借り入れが増えた場合

住宅ローンの審査では年収に対し年間の返済額の割合がどれぐらいなのか加味されます。

これを返済負担率と言い、年収が減っていれば返済負担率は上がってしまうので審査落ちになる可能性が高くなります。

返済負担率は住宅ローン以外のローンも含まれるので、新たにローンの利用が増えれば返済負担率が上がるので注意が必要です。

仮に申請者の状況に変化がなくても、次のような場合は住宅ローンの借り換え審査に落ちることがあります。

物件の担保評価が下がった

住宅ローン借換時にネックとなるのが物件の担保評価が下がることです。年数が経てば中古となり価値が下がるのは当たり前ですが、物件の担保評価額が下がることで予定金額で借り換えできない可能性があります。

この場合、借り換えのローンで補えない分のお金は繰り上げ返済するといった対応をしなければいけません。

住宅ローン返済を遅延経験ありなら借り入れ審査は厳しい!?

金融機関から融資を受けるには信用が非常に重要です。それは住宅ローンを借り換える場合も同じです。金融機関からの信用をなくすようなことをしてしまえば、住宅ローンの借り換え審査には通りません。

もし、既存の住宅ローンで滞納があるなら借り換え審査には通らないと思ったほうがいいでしょう。

審査では、申し込み者の個人信用情報を照会し、滞納履歴がないか必ず確認します。もし滞納履歴があるなら金融機関は、その人を信用できないと判断し融資を断ります。

  • うっかりミスも審査に影響する
  • 奨学金やスマホの分割購入の延滞も危ない

滞納とは何ヶ月もの間返済していない状況のことだと思う人は多いですが、偶然口座残高が不足していて返済の引き落としができなかったうっかりミスでも審査に影響しまします。

また、奨学金やスマホの分割購入代金の支払いを遅れた場合も住宅ローンの借り換え審査に悪影響を及ぼします。

健康状態によっては団体信用生命保険に加入できないことも

基本的に住宅ローンは団体信用生命保険に加入しないと利用できません。手術していたり、通院しているなどの健康状態だと団体信用生命保険には加入できませんので、一般の金融機関の住宅ローンで借り入れは不可となります。

団体信用生命保険に加盟できない人はワイド団信なら加入できる可能性があります。ただし、住宅ローンには団体信用生命保険の保険料が金利に含まれているのに対し、ワイド団信の金利は高めになっています。

そのため、低金利の住宅ローンに借り換えるという目的を達成できない可能性が考えられます。ワイド団信に加入を検討する場合は、その点も忘れずチェックしておきましょう。

住宅ローン借り換えの選びかたを目的別に解説

住宅ローン借換の選びかたは、まず借り換えする目的を明確にすることです。

人それぞれ借り換え目的は違うでしょうから、それに適した選びかたをするのがポイントです。ここでは、目的別に住宅ローン借換の選びかたのポイントを解説します。

総返済額を抑えたい

総返済額を抑えたい場合は、今の住宅ローンよりも金利が低いものを選ぶことです。

  • 今の住宅ローンよりも金利が低いものを選ぶ
  • 完済まで金利を下げられるかをチェックする

ただし、単に金利が低ければいいというわけではありません。今の金利は低くても、将来の金利が上がってしまえば総返済額が増えてしまう可能性も考えられます。

そのため、完済するまで今の住宅ローンよりも金利を下げられることがポイントとなります。

もう一つのポイントは、諸費用や手数料です。住宅ローンの借り換え時もこれらの費用がかかりますので、たとえ低金利でも諸費用や手数料が高ければ、トータルで見たときにメリットがないケースもあります。

今後の総返済額と諸費用・手数料のトータルで効果を検証するようにしましょう。

万が一の金利変動に備えたい

住宅ローンに申し込んだときはよく理解せずに低金利のものを選んだという人は多いのではないでしょうか?

変動型や固定期間が短いものは確かに低金利ですが、金利上昇のリスクを受ける影響も大きいので、将来金利が上がってしまわないか心配になるでしょう。

金利上昇のリスクに備えるために住宅ローンを借り換えるのであれば、

  • 金利を固定型にする
  • 固定期間を延ばす

上記2つの方法が考えられます。

長期に渡って低金利期間が続いている現在ですが、金利が高かった時期もありました。住宅ローンの返済期間は30年近くにもなりますので、金利上昇が心配なら金利が低い今こそ住宅ローンの借り換えに最適なタイミングと言えるでしょう。

たとえば、変動金利型の住宅ローンを組んでいるなら、全期間固定型の住宅ローンに借り換えするのも一つの手です。残りの返済期間が10年程度と短いのであれば10年固定・15年固定のものを利用するのが良いでしょう。

毎月の返済額を抑えたい

毎月の返済額を抑えたいという理由で住宅ローンの借り換えを検討する人もいるでしょう。住宅ローンの返済は長期に渡りますから、その間、転職や独立などで仕事内容が変わったり収入が減る可能性もあるでしょう。

また、子供の成長に連れて教育費の負担が大きくなることもあるでしょう。家計が厳しいときこそ、乗り越えることが最優先です。毎月の返済額を抑える手段の一つとして住宅ローンの借り換えを検討しましょう。

  • 今の住宅ローンよりも金利が低いものを探す
  • 返済期間を延ばすことができるか
  • 諸費用が安いもの

返済期間が同じならば金利が低いものほど毎月の返済額は少なく済みます。今よりも低金利の住宅ローンを探しましょう。

一部の金融機関では残りの返済期間を伸ばせる住宅ローンを取り扱っています。延長可能期間には制限があるので必ず確認しておきましょう。返済期間が延びれば月々の返済額を抑えることができます。

ただし、毎月の返済額を抑える目的で借り換えする場合は、長い目で見ればデメリットになることに注意が必要です。返済期間を延長すれば、その分利息を多く払うことになりますから結果として総返済額が増えてしまうのです。

家計に余裕が出たら繰り上げ返済するなどしてデメリットをカバーできるよう備えておくことも忘れないでください。

住宅ローン借り換えQ&A

ここでは住宅ローンの借り換えに関する疑問にお答えしていきます。

Q:住宅ローンの借り換えで得するのはどんな人ですか?

一般的には、金利差が1%以上、借入残高が1000万円以上ある、残りの返済期間が10年以上ある人です。

Q:借り換えには費用がかかりますか?

かかります。金融機関や借入額、金利などによって必要な費用は異なりますが数十万円程度はかかると思ったほうが良いでしょう。

Q:現在借りている金融機関で住宅ローンを借り換えできますか?

基本的に同じ金融機関の別の住宅ローン商品に変更はできません。

Q:火災保険に加入している場合はどうなりますか?

必要に応じて見直すのが良いでしょう。必要ないなら見直ししなくても構いませんが、住宅ローンを完済するまでは火災保険を継続しなければいけません。

Q:過去に滞納したことがあるのですが借り換えできますか?

住宅ローンの借り換え審査ではこれまでの返済実績がチェックされます。金融機関によって判断基準が違うので、滞納があったら絶対審査に通らないわけではありません。

ただ、どの金融機関でも信用情報は必ず確認するので、審査に影響することは間違いないでしょう。滞納の履歴が消えてから住宅ローンに申し込むのがいいでしょう。