この記事を5秒でまとめると…
- 親からの借金が贈与とみなされれば課税される可能性がある
- 借金だと証明したいなら借用書を作って返済をすべし
- 贈与は年間110万円までなら税金がかからない
両親からお金借りる場合には、贈与税がかかる可能性があります。自分では借金だから税金がかかるはずはないと思っていても、税務署が贈与だとみなせば、税金を取られてしまうのです。
親子間での貸し借りは、銀行や消費者金融のような金利がかからないため、金額や返済日を気にせず借入ができると考えている人がいらっしゃいますが、実はそれは大きな間違いなのです。
しかし、贈与税を取られずに親から借金することも可能です。この記事ではその方法について解説します。
親にお金借りるとなぜ贈与税がかかる?
資金繰りの際に、親から子供への融資は気軽に行われていることが多いようです。しかし、親子間でのお金の貸し借りは、口約束で成り立っていることが大半です。
金融業者からお金借りる場合には、きっちりと契約書を書く必要があります。利子や返済日、返済遅延時の利息などが明記されているため、お金を借りている証拠となるのです。
そのため、贈与とみなされる可能性が高いのです。
仮に1千万円借りた場合の贈与税額
では、贈与税がもしもかかってしまった場合には、一体どれくらいの贈与税がかかるのでしょうか?贈与税の計算は以下の計算式で算出します。
《贈与税の計算式》
基礎控除後の金額×税率-控除額=贈与税額
税率や控除額は基礎控除後の金額によって定められていますので、以下の一覧表をご覧ください。
《贈与税の税率と控除額》
基礎控除後金額 | 税率 | 控除額 |
200万円以下 | 10% | |
200万円超400万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円超600万円以下 | 20% | 30万円 |
600万円超1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,000万円超1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
1,500万円超3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
3,000万円超4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
これらをもとに、仮に500万円借りた場合の贈与税がいくらか計算してみましょう。まず、500万円から基礎控除の110万円を引くと390万円が基礎控除後の金額となります。
これを表に当てはめると、税率15%、控除額10万円となりますので、390万円×15%-10万円=45万5,000円です。500万円借りた場合には、45万5,000円が贈与税額となるのです。
親にお金借りても贈与税がかからない方法
親からお金を借りたとしても、贈与税の対象とならないようにするためにはどうすれば良いのでしょうか?
その方法としては
- 「借用書を作る」
- 「返済条件を設定する」
- 「返済実績を作る」
- 「控除額の範囲で借りる」
などがあげられます。
ちなみに、借用書と返済条件設定、返済実績は、全て満たす必要があります。では、それぞれの内容を見て行きましょう。
借用書を作る
親からお金借りる場合の注意点として、借用書を作ることは重要です。借用書がなければ、第三者に対して借金であることの証明ができませんので、しっかりと作成しましょう。
「身内なんだから借用書なんかかかなくても信用する」という人もいらっしゃいますが、実はそういう問題ではないのです。
返済条件を設定する
借用書をただ作れば良いというものではありません。返済条件の設定も重要です。金利がいくらなのか?
毎月の支払い日はいつなのか?など、金融業者から借りた場合と同様に、きっちりと設定しておく必要があります。金利は1%以上で設定しておくことが一般的となっています。
返済実績を作る
借用書を作って、返済条件を作ったとしても、実際にその通りの返済実績がなければ、税金対策のためにそれらを作っただけと見なされるかも知れません。
そのようなことがないように、条件設定通りに返済実績を作る必要があります。手渡しなどではなく、履歴が残る振込などで返済して行くと良いでしょう。
基礎控除の範囲で借りる
基礎控除の範囲で借りるという方法もあります。年間110万円までであれば、贈与しても税金がかかりませんので、その範囲の借金であれば税金を取られることはないでしょう。
親にお金借りるよくある3つの理由と対策
そもそも、親からお金借りる理由には、
①「住宅資金の頭金」
②「事業資金」
③「生活が困難」
という理由が多いようです。
そして、これらの理由ごとに対策を打つことによって、効果的にお金借りることができるかと思います。それぞれの理由と、効果的な対策について解説します。
1.住宅資金の頭金
親からお金借りることが多い理由として、住宅ローンを組む場合の頭金を借りるケースがあります。
住宅購入は人生で最も高い買い物だといわれており、大抵の場合は住宅ローンを組んで購入することとなります。
その際に、少しでも頭金を入れることができると、その分の金利が得となりますので、親から援助を受けたり、借りたりしながらローンを組むことが多いのです。
2.事業資金
脱サラして事業を立ち上げる時の資金や、資金繰りで親にお金借りる人もいらっしゃいます。
事業を行う場合には、まとまった資金が必要となることが多いため、軌道に乗るまでは特に金策が大変です。
また、なかなか軌道に乗らずに、資金繰りが苦しくなり、親からお金借りるケースもあるようです。
3.生活が困難
単純に生活費が足りなくて親からお金借りる人もいらっしゃいます。特にファミリー世帯の場合は、子供の教育費は莫大です。
食べ盛りの時期には食費もかさみますので、生活費が苦しくなるケースもあるのです。そのため、親からお金を借りて、その場をしのぐケースもあるようです。
生活が困難な場合は「社会福祉協議会」からお金を借りるという方法もあります。詳しくは「福祉事務所でお金借りるってどういうこと?その詳細を徹底解説!」で解説しています。
1と2の対策:先に資金を貯める
住宅資金の頭金や事業資金のために、親から借金する場合の対策としては、先に資金を貯めることが重要となります。
住宅資金は今後数十年間返済していくものですし、事業資金の場合にも今後の生活に直結する内容です。
安易に住宅を購入したり、事業を立ち上げるのではなく、しっかりと資金を貯めてから行動することが大切です。
そのような計画性があるからこそ、この先やって行けるわけですので、フライング的な行動は控えましょう。
3の対策:親ではなくカードローンを利用
生活費が苦しい場合には、親からお金借りるのではなく、カードローンの利用がおすすめです。カードローンは銀行や消費者金融がサービスを提供しており、いずれも手軽で便利に利用することが可能です。
親からお金借りると贈与税のリスクがありますし、借用書や返済条件を設定する必要もあります。どうせそこまでするのであれば、専門の金融業者から借りた方が安全で便利なので、プロからお金借りる方が良いでしょう。
参考:お金借りるならカードローンが良い?メリット・デメリットは何?
まとめ
親からお金借りると、利息などを取られず、返済日もあいまいなので気軽だと思っている人が多いようですが、実は贈与税を取られる可能性が高いのです。
贈与税を回避するには、借用書を作ったり、返済条件を設定したり、返済実績を作る必要がありますが、そこまでするのであればカードローンの方が手軽です。
カードローンは安全かつ便利に利用できますので、親から借りるよりもおすすめです。