この記事を5秒でまとめると…
- 多重債務者がさらにお金を借入することは困難
- おまとめローンを利用し、借入先を一本化することで利息の負担を減らせる可能性がある
- おまとめローンは大手消費者金融や街金を利用し、決して闇金などに手を出さないよう注意する
生活費を工面するために、借入申し込みをする人は数多くいらっしゃいます。
世の中には、銀行カードローンや大手消費者金融業者、中小消費者金融業者など、手軽に借り入れ可能な業者が多いため、気が付けば借金が増え、多重債務状態となっている人も数多くいらっしゃいます。
結果的に、任意整理や個人再生、自己破産など、債務整理をせざるを得ない状態となってしまうのです。
しかし、弁護士に相談する前に、自分で何とか対処できないものでしょうか?この記事では多重債務者がお金借りる方法を解説します。
多重債務の人は借り入れが難しいってホント?
基本的に、多重債務者は、金融機関から融資を受けることは難しいでしょう。申し込んだとしても、審査落ちする可能性が高くなってしまいます。
ここでは、なぜ多重債務者の人は借り入れが難しいかの理由である
- お金を貸すことに関する信用がない
- 総量規制に引っ掛かる可能性がある
- 申し込みブラックになる可能性がある
について紹介していきます。
お金を貸すことに関する信用がない
多重債務者となると、借り入れが難しくなる理由は、自分に置き換えると分かるのではないでしょうか?
もしもあなたが誰かにお金を貸す時、その人が複数の人から借金をしているのであれば、貸したお金が返済されないというリスクを考えるかと思います。
金融業者も同じで、多重債務になっていると、返済能力がなくなっている可能性があるため、融資は慎重にならざるを得ません。
総量規制に引っ掛かる可能性あり
改正貸金業法では、総量規制という法律上のルールがあり、年収の3分の1を超える融資をしてはいけないと定められています。
総量規制は1社からの借り入れで年収の3分の1でははく、複数社合計でのカウントとなります。
そのため、多重債務者はすでに年収の3分の1の金額を借りてしまっている可能性が高いため、総量規制の観点からそれ以上借り入れをすることが出来ない可能性があります。
申し込みブラックになる可能性がある
さらに借入先を増やしたいからと言ってむやみやたらに短期間で複数社に申し込みをしてしまうと、申し込みブラック(金融ブラック)になってしまう可能性があります。
申し込みブラックとは?
短期間にカードローンなどの借入を申し込むことで、1ケ月に3社以上立て続けに申し込んでしまうと対象になると言われています。
申し込み履歴は半年間信用情報に記録されますので、借り入れ審査では不利となります。申し込みブラックでも不利となるのですから、実際に他社借入が多い多重債務者は、さらに不利となるのです。
多重債務者の豆知識
では、多重債務者はどのような人のことを言うのでしょうか?
- 多重債務者の人数
- 多重債務者の状況
についてまとめてみました。
多重債務者の人数
借金をしている人の割合は、借り入れ件数が多いほど、人数が少なくなってはいますが、それでも5件以上借り入れしている人は、全国に9.1万人もいて、1人当たりの借入額は222.2万円にも上ります。
ここでは、そのような多重債務の実態をチェックしてみましょう。
多重債務者の状況
借り入れ件数 | 登録人数 | 一人当たりの残高 |
1件 | 715.8万人 | 53.9万円 |
2件 | 233.9万人 | 88.2万円 |
3件 | 84.0万人 | 114.1万円 |
4件 | 25.9万人 | 146.0万円 |
5件以上 | 9.1万人 | 222.2万円 |
合計 | 1,068.9万人 | 69.8万円 |
※日本信用情報機構(平成30年1月末現在)を参考に著者作成
多重債務の人がお金借りる方法
多重債務の人が、キャッシングサービスを受ける方法なないのでしょうか?諦めるのはまだ早いです。
実は、多重債務でもおまとめローンであれば利用できる可能性は残されています。ここでは、おまとめローンの内容を紹介した上で、おまとめローンのメリットデメリットを解説します。
おまとめローンを利用する
おまとめローンとは、複数社からの借り入れがある人が対象となったローンのことで、複数のローンをまとめてしまい、金利や返済日を一本化させるローンのことを指します。
利用者に有利なローンであるため、総量規制の対象外となっているため、年収の3分の1を超える融資を受けることも可能です。
ただし、厳正な審査は行われますので、審査に通過した場合に利用することができます。
おまとめローンのメリット
おまとめローンは、金利が一本化されるため、いままで複雑だった金利の計算をする必要がなくなります。
また、複数社からの借入の場合、1社あたりの借入金額が少なくなる傾向があるため、その分金利が割高となっている場合が多いです。
おまとめローンを利用して、借り入れを一社にまとめることで、金利を抑えることができるため、お得な借り入れに変わるのです。
おまとめローンのデメリット
おまとめローンのデメリットは、返済期間が長くなる可能性があるというところです。
たとえば、借金を一本化することで、毎月の返済金額を減らした場合に、月々の返済負担は低くなりますが、月々の負担を減らした分、返済期間が長くなる可能性があるのです。
借金がなかなか完済しないことも想定されるため、熟慮の上で利用する必要があります。とはいえ、多重債務で苦しんでいる状況からは解放されますので、現状とのバランスをチェックすると良いでしょう。
銀行カードローンはおまとめ不可
銀行カードローンは、多重債務者への借り換えローンやおまとめローンなどの規制強化をしているため、銀行カードローンを利用したおまとめローンを利用することはできません。
銀行カードローンは過剰融資となっているため、金融庁から貸付抑制の要請があったのです。
そのため、おまとめローンを利用する場合には、消費者金融を利用することが原則となりますので、知っておいた方が良いでしょう。
おまとめローンが可能な消費者金融
複数社の借入をまとめることが可能なおまとめローンは、借金の負担を軽くする上で有効であることは、お分かりいただけたかと思います。
しかし、いざおまとめローンを利用しようと思った場合には、どこから借り入れすれば良いか分からないですよね?
そこで、おまとめローンが可能な消費者金融について紹介いたします。おまとめローンを提供しているのは、大手消費者金融であるアイフル、アコム、プロミスの3社です。それぞれ1社ずつ見て行きましょう。
アイフルおまとめローン
アイフルは、4.5%~18.0%の金利で、最大500万円までお金借りることが可能です。消費者金融で唯一の東証一部上場企業となっており、多くの利用者が安心して利用しています。
そんなアイフルのおまとめローンは、12.0%~15.0%の金利で、限度額は同じく500万円となっています。
満20歳以上で、安定収入があれば利用できますので、申し込み審査を受けてみると良いでしょう。
アコムおまとめローン
アコムは、3.0%~18.0%の金利で、最大800万円まで利用可能です。「むじんくん」という無人契約機が全国各地に設置されていたり、リボ払い専用のクレジットカードを発行しているなど、使いやすい消費者金融として知られています。
おまとめローンの場合の金利は7.7%~18.0%で、最大300万円までの融資を受けることが可能です。複数社の借入がある場合には、まずは相談してみましょう。
プロミスおまとめローン
プロミスは、4.5%~17.8%の金利で、最大500万円までお金借りることができます。アプリで手軽にキャッシングができるアプリローンを提供しているほか、はじめてプロミスを利用する場合には、最大30日間無利息となるサービスを行っています。
プロミスのおまとめローンは、6.3%~17.8%の金利で、最大300万円まで利用することが可能です。年齢条件は20歳以上65歳以下で、安定収入が前提となっています。
街金のおまとめローン
おまとめローンを提供しているのは、大手消費者金融だけではありません。街金と呼ばれる中小消費者金融も行っています。ここでは、おまとめローンや借り換えしやすい業者のローンを紹介します。
《おまとめローン可能な街金》
街金 | 金利 | 限度額 |
ライフティ | 8.0%~20.0% | 500万円 |
SGファイナンス | 9.85%~12.65% | 500万円 |
中央リテール | 10.95%~13.00% | 500万円 |
ユーファイナンス | 7.30%~15.00% | 700万円 |
まとめ
多重債務者が金融業者からお金借りるのは困難です。借金は返済能力が前提となるため、金融業者側としては、ハイリスクの融資を避けるからです。
しかし、おまとめローンであれば、利用できる可能性はあるため、一度検討してみると良いでしょう。
大手消費者金融や、街金では、おまとめローンを提供しているところが多いため、気軽に相談に乗ってもらうことが可能です。
借金をまとめると、金利や返済を一本化することができるというメリットもあるため、借金の苦しみが楽になることも期待できます。