生活保護者がお金借りることは可能?市役所に知られたらマズイ?

この記事を5秒でまとめると…

  • 生活保護受給者が金融機関でお金を借りるのは難しい
  • もし借りられてもバレれば不正受給でペナルティーになる
  • 生活福祉資金貸付なら生活保護受給者でも利用できる

お金に困って家計が苦しくなってしまい、生活資金がなく、生活保護を受給されている人や世帯は数多く存在します。

生活保護は、国のセイフティーネットとして制度化されているものであり、受給者の自立支援という意味合いを持っています。

しかし、生活保護を受けている期間中も、お金に困る状況となってしまう可能性はあるかと思います。そんな時、お金借りることは可能なのでしょうか?

この記事では生活保護受給者の借入について詳しく解説します。

生活保護者はお金借りることはできる?

世の中にはお金借りる方法は数多く存在します。特に銀行カードローンや消費者金融からのキャッシングは、手ごろな金利でまとまった貸付金額が期待できる上、月々の返済負担も軽いため、相談しやすい方法となっています。

必要書類も本人確認書類が原則として揃えやすいですし、借り入れ審査も安定収入があれば、特別難しいわけでもありません。

しかし、それは生活保護を受けていないケースです。生活保護受給者が借金をする場合はどのようなことが考えられるのでしょうか?

原則的には借入は難しい

生活保護受給者がお金借りるのは原則的には難しいでしょう。法律の観点からいうと、生活保護受給者が借金できないというルールはないため、借金をしたからといって問題はありません。しかし、事実上お金借りることは難しいといえます。

なぜなら、金融業者の融資条件が「継続かつ安定収入がある人」となっているからです。

そもそも生活保護は、国が定めている最低限の生活費が不足している人が受給できるものなので、安定収入がない人が生活保護を受けているのです。

もし市役所にバレたらどうなる?

よく、「生活保護受給者が市役所に内緒で借金をしたらどうなるか?」という質問を受けますが、正確には市役所ではなく、社会福祉協議会が生活保護の窓口となっていますので区別しておきましょう。

生活保護受給者が借金をした場合には、社会福祉事務所に届け出を行う必要があります。借入れた金額は収入として生活保護の支給額から引かれますので、生活保護の額が減ることとなります。

もしも、借金を内緒にした場合には、生活保護費を不正に受給したことになりますので、ペナルティーを受けることになるでしょう。生活保護受給期間に借金をしてもあまり意味はないことが分かります。

目 次

生活保護受給中でもお金借りる事ができる業者ってある?

生活保護は最低限の補助であるため、急な入用でお金が足りないなんてときもあるかと思います。

そのようなとき、生活保護受給者はカードローンやキャッシングでお金借りることは可能なのでしょうか?

カードローンなら担保も保証人も不要なので比較的審査通過しやすいのではと思うところかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか?

生活保護は安定収入とみなされない

結論から言えば、生活保護受給者が民間の金融機関からお金借りることは難しいです。民間の金融機関でお金を借りるには「収入」が必要です。

そして単に収入があればいいわけではなく「安定」していることも必要です。

生活保護の場合、毎月貰っているという点では安定しているといえるかもしれません。しかし、問題なのは生活保護費が収入と言えるかどうかです。

生活保護は生活に困窮している人が最低限の生活をおくるために使用することを前提としたお金なのです。

これは国民の税金で賄われており、税金を収入として貰えるのは公務員や公的機関に勤める人のみです。

つまり、それ以外の人は収入と認められませんので、生活保護費は収入ではありません。そのため、正規の金融業者は生活保護受給者にお金を貸すことはできません。

実際に各金融業者の申し込み条件には「安定収入があること」と記述されており、それが前提条件だからです。

生活保護受給者でも借りられる業者は違法業者の可能性が高い!

上述した通り、生活保護は収入とはみなされませんので正規の金融業者は貸付できません。

そもそも生活保護は最低限の生活を送るためだけのお金しかもらえないため、返済に回せるだけの余裕はないはずです。金融業者にとっても生活保護受給者にお金を貸すのはかなりリスクが高いのです。

しかし、中には「生活保護受給者でも融資します」などといった謳い文句で営業する業者も存在します。そのような業者はヤミ金と言われる違法業者ですので、絶対に手を出さないことです。

後述しますが、生活保護受給者でも借り入れできる場合もありますが、それはあくまでも公的機関が行うものであり、民間の金融機関で生活保護受給者に対して貸付を行うところはまずありません。そのことを、初めに理解しておきましょう。

通常、生活保護費だけではお金をまかなうことができない場合は、親や兄弟など親族に頼るのが普通です。

しかし、大抵の生活保護者は親族に頼りたくても頼れないのが現状です。ヤミ金などの違法業者は、そのような弱みにつけ込んできます。

トイチやトゴなど違法な金利で貸付を行い、法律で禁止されている取り立て行為を行うことも多々あります。

融資の前に受給額はもちろん、実家の住所や電話番号、家族構成など自分の家族についても細かく聞いてきます。

融資は生活保護受給日の直前に行うことが多く、受給日になるとすぐに取り立ててきます。もし返済できなければ、家族や親戚から回収しようともしますので非常に危険です。

また金利が高いため、生活保護費が借金返済で消えてしまう可能性もあり、余計に生活が苦しくなるばかりです。

キャッシングはバレる可能性が低い?

ネットなどの情報を見ていると、キャッシングはバレずにお金借りることができると書かれているものがあります。

生活保護を受給している間は、通帳をケースワーカーにチェックされることがありますので、ATMでの借り入れや、申請していない通帳などを活用する内容が紹介されています。

しかし、いずれの場合も履歴は残りますし、バレた場合のペナルティーは受給額や借金額よりも上回る可能性もあります。

場合によっては逮捕の可能性もあります。いずれにせよ、バレる可能性は低くはありません。

【要注意】生活保護者がひっかかりやすいヤミ金の手口とは

ヤミ金からお金借りるのは非常に危険です。

しかし、それがわかっていてもヤミ金のような違法業者からお金を借りてしまう人も少なくないです。なぜそのようなことになってしまうのでしょうか。

お金に困っていると冷静な判断ができなくなり契約してしまうというのもありますが、実はヤミ金側も生活保護者を取り込むために巧妙な手口を使っているのです。

親身になって相談に応じる業者には要注意

自分が困っているとき、親身に相談に乗ってくれる人がいると信じて頼りたくなるもの。ヤミ金はこれを利用して生活保護者にお金を貸そうとします。

しかし、実際にお金を貸すと態度は一変します。

違法な金利に気が付き、完済したくても「事前に連絡しないとだめです」などとごまかし、利息を延々と支払わせようとします。仮に事前に電話で連絡を取ろうとしても不在で連絡がつかないというケースが多いです。

ヤミ金は生活保護受給者を安定収入がある顧客とみなしています。そのため、すぐに完済されるよりも、長期に渡り利息を払わせたほうが稼げるのです。

たった数万円で「破滅の人生を歩むことになる」なんて話は決して他人事ではないのです。

生活保護受給権を担保にとる

具体的な方法としては、まず受給者の生活保護受給権を担保に取ります。受給者証を預かり、毎月の支給日に特定の場所で待ち合わせて、生活保護費が支給されると同時に返済分を徴収します。

中には、受給者のキャッシュカードを預かり口座から勝手にお金を下ろすような手口を取るヤミ金もいます。このように生活保護費から確実に回収して利益を上げています。

やりとりは電話のみで済ませるヤミ金も多いですが、上記のタイプのヤミ金は直接会って回収します。このようなヤミ金は昔から多く存在します。

顔を出しているわけですから逮捕者が多く出てもおかしくないはずですが、実際の逮捕事例はそう多くはないです。

その理由は、生活保護受給者が被害届を出さないからです。生活保護受給権を担保に取るヤミ金は、他のヤミ金と比べると金利が低めです。

ヤミ金と言えばトイチやトゴなど高金利で貸し付けるのが当たり前とされていますが、生活保護受給権を担保にとるヤミ金の金利は、月に1,2割程度で貸付することが多いです。

もちろん、これでも違法であることに変わりはないですが、トイチやトゴに比べれば低いと言わざるを得ません

月1割程度の金利だと、たとえば5万円借りた場合、翌月に1万円程度を乗せて返済すればいいので、少しだけお金が足りないなど困ったときに便利に利用でき、生活保護受給者にとってはかなり都合が良いといえます。

自分にとって都合が良い方法であるため、自ら被害届を出すようなことはしないのです。

ヤミ金もそのことをわかっているため、生活保護者は確実な資金源になってしまっているのです。生かさず殺さずじわりじわりと搾り取り続けようという手口なのです。

少額融資と電話対応で習慣化しやすい

融資額は5万円以下と少額でスタートし、返済期間は1週間程度と短く設定します。

これにより融資と返済を繰り返しさせて気軽にお金借りることができるよう習慣化させようとするのです。返済期間を短くすれば貸し倒れを防ぐこともできます。

また最近は電話だけのやりとりだけで済ませるヤミ金が多いです。紳士的な対応を取るため、ヤミ金業者からお金を借りているという感覚が鈍ります。

この場合でも、やはり利息のみを搾り取り長期的に支払わせようとします。さらには、顧客情報を他のヤミ金にも回しお金を貸そうとしてきてきます。

生活保護の受給停止に注意

生活保護は収入ではないため、カードローンなどで借金することはできない。もしできるとすればヤミ金などの違法業者という話をしました。

とは言え、毎月お金が入ってくる状態だし計画的に利用すればカードローンをお金借りるのも良いんじゃない?と思う人もいるでしょう。

そんな人のために、生活保護費を貰う人の条件を今一度確認しておきましょう。

生活保護受給の条件は次の4つを満たしていることです。

受給のポイント

  • ケガ、病気などが原因で働けない
  • 厚生労働省が定める最低生活費よりも月収が下回る
  • 身内に援助してもらえない
  • 土地などの財産を所有していない

生活保護の根拠は憲法により保障された「生存権」にあります。日本国民は健康で文化的な生活を営む権利を憲法により保障されています。

そして、この保障された生存権に生活保護が該当する制度ということです。

生活保護でもらえるお金はお世辞にも多くありません。あくまでも憲法を根拠に国が算定した金額であり、最低限の生活は送れるように設定されたものです。

そして、生活保護費は本人が働いて稼ぎ経済的に自立するまでを支援するのが目的です。

しかし、近年不正受給者が増加したことで制度が改正になり申請の条件が厳しくなりました。親族の収入を照会させたり書類をより複雑なものにしたりと、簡単には受給できないようになりつつあります。

生活保護を受給していることを隠して申込めばカードローンなどでお金借りることもできるのではないか?と考える人もいるかもしれません。

しかし、借金により得た収入はその旨を福祉事務所に届け出なければいけませんし、借りたお金の分は生活保護の支給額から差し引きとなります。

つまりお金借りることができたとしても、その分の生活保護支給額が減りますので、手元に残るお金は増えませんので意味が無いのです。

しかも借金を届け出なければ生活保護費の不正受給とみなされてしまい、借りた金額以上のお金を返還しなければいけません。

せっかく認められた生活保護が受給停止になる恐れがありますので、生活保護受給中の借金はおすすめできません。

生活保護受給者はNGでも年金受給者はお金借りることができる

生活保護も年金も国が支給するという点で同じです。そのため、生活保護がカードローンを利用できないなら年金も同じく利用できないと考える人も少なくないです。

しかし、年金受給者は生活保護受給者とは違ってカードローンでお金借りることも可能です。国から支給されるという共通点があるにも関わらず、なぜ年金受給者はカードローン利用が可能なのでしょうか。

年金はお金の出どころが違う

生活保護は税金から支給されます。これに対し年金は、これまで自分が働き稼いで積み立てたお金から支給されます。つまりお金の出どころが違うのです。

今まで自分が働いた分の収入の一部を受け取るわけですから、現在も収入があり安定していると判断されるのです。

これに対し、生活保護は働けず収入がないため税金から支給されます。つまり収入がないことが前提となっているので安定した収入があるとみなされません。

信用力の違い

カードローンの審査では、申し込み者の信用をチェックします。信用は4つの要素で表され、それをもとに審査しています。その4つとは次のとおりです。

  • Character=人格
  • Capacity=支払い能力
  • Capital=資産
  • Control=自己管理

この4つの要素を年金受給者と生活保護者それぞれに当てはめると、両者には大きな差がでます。

年金は老後のお金を残すという明確な目的があります。そのために、地道にコツコツと働いて積み立てていきます。

そのため金融機関は、年金受給者は自己管理の能力が高いと判断し融資をしてくれるのです。

対して、生活保護受給者は無職または働いていても収入が少ない状態です。支払い能力が低く、資産もありませんので自己管理能力が低いと見られてしまいます。

金融機関としても、信用が低い生活保護受給者にお金を貸すのはリスクが高いというわけです。

生活保護受給者がお金に困った場合の対処法

生活保護は生活に困窮している日を助けるためのセーフティーネットですが、それでもなお、お金が足らずに困った状況に陥るケースもあります。

既に民間の金融機関から借金することはできないことは説明しましたが、それ以外の方法でお金を工面することはできないのか解説していきます。

バイトはOK?

お金が足りないからといってバイトを行うのはNGです。これはバイト自体がNGという意味ではなく、バイトしてお金をもらってもそれ自体に意味がないということです。

バイトで得たお金は収入とみなされますので、その分が生活保護受給額から差し引かれることになります。

たとえば、毎月生活保護費を15万円受給していたとして、バイトで月に3万円の収入を得ていたとすると、受給できる生活保護費は15万円-3万円=12万円となります。結局のところ、自分が得られるお金が増えるわけではないということです。

また考え方によっては、バイトできるから生活保護は必要無いと判断され、生活保護費を打ち切られてしまう可能性もあります。生活保護を受給している内は原則としてバイトはしない方が良いでしょう。

クレカでキャッシングするのは?

生活保護を受給している方の中にはクレジットカードを持っている方もいるかと思います。

クレジットカードにキャッシング枠がついているのであれば、それを利用して現金を借りることができる場合もあります(ただし、カード会社に生活保護を受給していることが伝わっている場合はキャッシング枠の利用が止められている可能性はあります)。

生活保護法には、クレカのキャッシングを利用してはいけないという決まりは特にありませんので、利用してもペナルティがなさそうに思えますね。

しかし、この場合も消費者金融等から借金した場合同様に、ケースワーカーにバレてしまえば生活保護費の減額あるいは支給の打ち切りになってしまう可能性があります。

生活保護費の前借り

結論から言えば生活保護費の前借りはできません。

生活保護費は働けず最低限度の生活を送ることができない人に対して一定金額を支給する制度です。毎日の生活費を援助するためのものですから、前借りができません。

もし前借りを認めてしまうと、前借りを繰り返して自転車操業状態になり、さらに苦しい生活を送る恐れがあります。そのため、生活保護費は毎月1回支給となり、その金額の範囲内で生活をしていかなければいけません。

生活保護費の再支給

特別な事情に限り、生活保護費を再支給してもらうことは可能です。

そのためには、次のいずれかに該当することが条件となります。

  • ① 災害のために生活保護費を流出し又は紛失した場合
  • ② 盗難や強奪そのほかの不可抗力により生活保護費を失った場合

① 災害のために生活保護費を流出し又は紛失した場合

「災害のために保護費を流出した」場合とは、たとえば洪水により保護費が流されてしまった場合などです。

「紛失した」場合とは、地震により家屋が崩れ、保護費が下敷きになって取り戻すことが不可能になった場合があげられます。

他には火事や暴風によって燃えたり吹き飛ばされた場合なども該当します。

② 盗難や強奪そのほかの不可抗力により生活保護費を失った場合

盗難、強奪、その他の不可抗力により保護費を失ってしまった場合も再支給が可能としています。

しかし、悪用されやすい条件であるため、実際に認められるケースは①に比べて少ないです。

事実確認が必要になるため、警察に遺失届をしていなければいけません。さらに、証言に客観性があるかどうかで再支給されるか決められます。

「いつ・どこで・どのように・誰に・何を・いくら」など、保護費を失った状況を想像できるような証言が必要となります。

かなり細かく聞かれますので、証言が曖昧だと再支給されるのは難しいです。

生活保護費の再支給の流れ

生活保護費の再支給の流れは大まかに説明すると次のとおりです。

  • ① 生活保護費を紛失したことをケースワーカーに告げる
  • ② 事実の調査
  • ③ 扶養義務者に対し扶養依頼等の指導

再支給の申請を受けたケースワーカーは、本人から事情を聴取します。必要であれば実地調査も行い、なぜ失くしたのか、いくら失くしたのか、当時の手持ち金などを確認します。

盗難等の特別な事情であるため、扶養義務者から援助を受けるように指導されます。同時に扶養義務者に対し調査も行われます。

事実調査と扶養義務者に扶養依頼等の指導をした結果、再支給の条件に外応して尚且つ、扶養義務者から援助してもらえない場合にはじめて再支給されます。

再支給の金額

再支給される金額は日割りで計算されます。失った日以降の日数に応じて算定された金額の範囲内で再支給となります。

すでに家賃や水道光熱費などを支払っている場合はその分も差し引きされます。

たとえば、月の生活保護費が15万円で家賃と水道光熱費を合わせて7万円を未払いの場合は、7万円は全額支給となり残りの8万円が日割り計算となります。

生活保護費をなくした日から次の受給日までの日数が10日間とすると、

8万円÷30日×10日=約27,000円

この場合、最大27,000円支給されることになります。

再支給には時間がかかる

再支給されるには調査等が必要なため時間がかかります。災害などでお金を紛失した場合は仕方ないですが、強奪や盗難の場合は金銭管理ができていないとみなされて、そのための生活指導を受けることになります。

口頭で済むこともありますが、ほとんどは社会福祉協議会の日常生活自立支援事業に登録するように指導されます。

一時的な所得は許容される

借金は収入として認められてしまうと説明しましたが「一時的な所得」の場合は収入としては認められず、翌月の生活保護費が減額されずに受給できることもあります。

たとえば、不用品をネットオークション等で売却して現金を手にすることも可能です。どうしてもお金が必要という場合は、家にある不用品を売って現金化するのを検討すると良いでしょう。

ただし、継続的もしくは多額の収入になると収入の対象となりますので注意してください。あくまでも臨時的少額である場合のみ許容されます。

一時的であっても金額が多いと翌月の生活保護費が減りますので、トータルの収入を増やすことはできません。

一時的に親に頼る

民間の金融機関からお金借りることができないのであれば、周囲の人からお金借りるという手が考えられます。

生活保護を受けている状況であれば、周囲の人も借金するのは難しいことをわかってくれるでしょうから、お金を貸すことに多少は寛大になってくれる可能性があります。

ただし、生活保護費は最低限の生活を送るだけの分しか支給されませんので、なかなか返済するのが難しいです。

そのため、これを理由に貸してもらえない可能性もあります。一番お願いしやすいのはやはり自分の親でしょう。

一時的に援助してもらえないか相談してみると良いでしょう。

生活保護受給者でも利用できる貸付制度

生活保護受給者に貸付する業者はないと説明しましたが、それはあくまでも民間の金融業者に限った話です。

公的貸付制度の中には生活保護受給者に対しても貸付可能としているものがあります。

それが「生活福祉資金貸付制度」です。各市町村の社会福祉協議会が窓口となっており、無利子もしくは無利子に近い形でお金借りることができます。

生活保護受給者でもお金借りることができる「生活福祉資金貸付制度」とは

生活保護受給者はお金に困った場合、まずは担当のケースワーカーに相談することをおすすめします。状況に応じて選択肢を提示してくれますので、一人で悩まず相談することです。

その際、選択肢の1つとして紹介されるのが「生活福祉資金貸付制度」という公的貸付制度です。

厚生労働省が管轄する国の貸付制度で、民間の金融業者から融資を受けられない低所得世帯や高齢者世帯などを対象に貸付をしています。

生活保護を受給していてお金に悩んでいる方は、生活福祉資金貸付制度の利用を検討してみると良いでしょう。

生活福祉資金貸付制度は生活保護と併用が可能

生活福祉資金貸付制度は、低所得者・高齢者・障害者の方たちを対象に厚生労働省と各自治体が連携して経済的に支援することを目的とした貸付制度です。窓口を担当するのは市区町村の社会福祉協議会です。

生活福祉資金貸付制度は生活保護との併用も可能です。

生活福祉資金貸付制度の種類

生活福祉資金貸付制度は大きくわけて③種類です。

  • ① 総合支援資金
  • ② 福祉資金
  • ③ 教育支援資金

それぞれ資金用途が定められており、それぞれ貸付金額が異なります。

また生活保護受給者はどれも利用できるというわけではありませんので注意してください。

①総合支援資金

総合支援資金は次の3種類に分類されます。

資金の種類 使用目的 貸付額 利子
生活支援費 生活再建までに必要な生活資金 単身:月15万円以内
二人以上:月20万円以内
連帯保証人有:無利子
連帯保証人なし:年1.5%
住居入居費 敷金礼金など賃貸契約を結ぶのに必要な資金 40万円以内
一時生活再建費 生活債権のために一時的かつ日常生活費でまかなうのが困難な費用 60万円以内

②福祉資金

福祉資金は次の2種類に分類されます。

資金の種類 使用目的 貸付額 利子
福祉費 ・生業を営むために必要な経費
・技能習得に必要な経費、その期間中の生計を維持するのに必要な経費
・住宅の増改築、補修、公営住宅の譲り受けに必要な経費
・福祉用具などの購入費用
・障害者用の自動車の購入費用
・けがや病気の療養に必要な費用
・介護サービスや障碍者サービスを受けるのに必要な費用
・災害による臨時費用
・冠婚葬祭に必要な費用
・就職・技能習得などに必要な費用
・その他日常生活上一時的に必要な費用
580万円以内 連帯保証人有:無利子
連帯保証人なし:年1.5%
緊急小口資金 緊急で尚且つ正解維持が難しい場合に貸し付ける少額の費用 10万円以内 無利子

③教育支援資金

教育支援資金は次の2種類に分類されます。

資金の種類 使用目的 貸付額 利子
教育支援費 高校、大学、高等専門学校に就学するために必要な費用 高校:月3.5万円以内
高専:月6万円以内
短大:月6万円以内
大学:月6.5万円以内
 無利子
就学支度費 高校、大学、高等専門学校に入学するために必要な費用 50万円以内

生活福祉資金貸付制度の利用条件

生活福祉資金貸付制度に申込むには次の条件を満たしている必要があります。

利用条件

  • 低所得世帯
  • 他の制度を利用できない
  • 返済の見込みがある
  • 福祉貸付を申込む都道府県に住んでいる
  • 福祉貸し付けの連帯保証人になっていない

では、それぞれの条件について詳しく見ていきましょう。

低所得世帯とは

低所得世帯とは具体的に次に示す平均月収以下の世帯を言います。

世帯人数 平均月収
1人 19万1,000円
2人 27万2,000円
3人 33万5,000円
4人 38万5,000円
5人 42万5000円

総合支援資金は世帯収入なしでも申込めますが、福祉資金と教育支援資金は収入がないと申し込みできません。

平均月収は、「世帯の所得-生活に必要な支出」です。住宅ローンや家賃、食費、医療費、光熱費などが生活に必要な支出として世帯の所得から控除されます。

他の制度が優先される

公的制度は生活福祉資金貸付制度の他に次のようなものがあります。

  • 生活保護
  • 失業保険
  • 傷病手当
  • 高額療養費制度
  • 住宅給付
  • 奨学金
  • 母子寡婦福祉資金

これらの制度を利用できる場合は、まずは優先的にそちらを利用するように説明されます。ただし、上述したとおり生活保護を受給している場合でも併用は可能です。

返済の見込みがある

生活福祉資金貸付制度は給付ではなく貸し付けですので、返済する必要があります。そのため、返済の見込みがあると認められないと利用できません。

住民票がある都道府県に住んでいないと申込めない

生活福祉資金貸付制度は、住民票がある都道府県で住んでいないと申込めません。

たとえば、神奈川県に住民票があるが現在は東京に住んでいる場合は神奈川でも東京でも申請できないということになります。この場合は、東京に住民票を移して東京で申請することになります。

生活福祉資金貸付制度の保証人になっていると申込めない

既に生活福祉資金貸付制度の保証人になっていると申込めません。

生活保護を受けていても利用可能

生活福祉資金貸付制度は、生活保護を受給しているからというだけで利用対象から外れるわけではないです。併用も可能です。

ただし、生活福祉資金貸付制度は返済できる見込みが無いと借りられませんので、実際に借りられる金額は少なくなります。

連帯保証人なしで借りられる

連帯保証人の要否は貸し付けの種類によって異なります。ただし、必要な場合でも「原則」としており必ず保証人を立てなければいけないわけではありません。

連帯保証人を立てた場合は無利子になります。連帯保証人を立てない場合は1.5%の利子が発生します。

緊急小口資金と教育支援資金は連帯保証人不要かつ無利子でお金借りることができます。

必要書類

生活福祉資金貸付制度に必要な書類は資金の種類や自治体によって異なります。あらかじめ必要書類を確認しておくようにしましょう。

下記は東京の場合の必要書類です。

総合支援資金 ・申し込み書
・住民票
・収入証明書
・返済計画書
・本人確認書類(健康保険証、運転免許証、パスポートなど)
・ハローワークに相談に行ったことを証明できる書類
・失業(減収)する前の収入・支出がわかる書類
・勤めていた社名、住所、電話番号がわかる書類
・退職してから 2 年以内であることがわかる書類
・自立計画
・見積書、請求書、督促状など資金が必要なことがわかる書類
福祉資金 ・申し込み書
・住民票
・収入証明書
・返済計画書
・資金が必要なことを裏付ける書類
教育支援資金 ・申し込み書
・住民票
・収入証明書
・返済計画書
・資金が必要なことを裏付ける書類

「資金が必要なことを裏付ける書類」とは、たとえば福祉資金であれば、物品購入費用の見積書、教育支援資金であれば合格通知書や在学証明書などです。

連帯保証人を立てる場合は、次の2つの書類も必要です。

  • 連帯保証人の住民票
  • 連帯保証人の収入証明書

生活福祉資金貸付制度の申請の流れ

生活福祉資金貸付制度は、資金の種類により申請の流れが異なりますが基本的には社会福祉協議会とやり取りをすることになるので特別複雑というわけではありません。

総合支援資金と緊急小口資金の申請の流れ

全国社会福祉協議会より引用

① 福祉課または生活支援課にて相談

総合支援資金と緊急小口資金は自立相談支援事業を行っている役場の福祉課または生活支援課が窓口となります。

はじめに相談をして、自分の生活状況を話したうえで申請可能かどうか判断してもらう必要があります。そのため、必ず申請できるわけではありません。

② 社会福祉協議会に申請書を提出

窓口にて利用申請が完了すると市区町村の社会福祉協議会に貸し付けのつなぎをしてくれます。

申請者は、社会福祉協議会に申請書類等を提出します。その後、社会福祉協議会にて審査が行われます。

③ 貸付金の交付

審査が完了すると、お住いの住居に貸付決定通知書または不承認通知書が届きます。貸付が可能な場合は、都道府県社会福祉協議会に借用書を提出し、その後貸付金が交付されます。

福祉資金・教育支援資金の申請の流れ

全国社会福祉協議会より引用

① 市区町村の社会福祉協議会に相談借り入れ申し込み

まずお住いの市区町村社会福祉協議会に状況を相談します。

その後、申請書類等を提出します。提出した書類は市区町村社会福祉協議会から都道府県の社会福祉協議会へ書類が送付され審査が行われます。

福祉資金・教育支援資金の場合は、民生委員による自宅訪問があります。自分の生活の実態を見せて民生委員からの質問に答えなければいけません。

その際、生活に余裕があるのではと疑われてしまうと貸し付けの対象から外れます。

② 貸付金の交付

審査が完了すると、お住いの住居に貸付決定通知書または不承認通知書が届きます。都道府県社会福祉協議会に借用書を提出すると、後日貸付金が交付されます。

貸し付けに必要なもの

ここでは、審査通過後の貸付を受けるまでの必要なものと流れを解説していきます。

貸付を受けるには借用書が必要

審査を通過したら、次の2点を社会福祉協議会に提出します。

  • 借用書
  • 印鑑証明書

借用書には返済期間・回数を記入します。どれぐらいのペースで返済していくのかは社会福祉協議会の相談員と話し合って決めます。

借入方法

貸付金は指定した銀行口座に入金されます。

振込手数料は社会福祉協議会が負担するのが一般的です。

お金の使いみちが分かるものが必要になることも

福祉資金・教育支援資金の場合は、領収書やレシートなどお金の使いみちがわかるものを提出する必要があります。

生活福祉資金貸付制度の返済について

ここでは生活福祉資金貸付制度の返済について解説していきます。

返済開始はいつ?

生活福祉資金貸付制度の返済開始のタイミングと返済期限は次のとおりです。

資金の種類 据置期間 返済期限
生活支援費 最終貸付日から6ヶ月以内 据置期間後10年以内
住宅入居費
一時生活再建費
福祉費 最終貸付日から6ヶ月以内 据置期間後20年以内
緊急小口資金 最終貸付日から2ヶ月以内 据置期間後1年以内
教育支援資金 卒業後6ヶ月以内 据置期間後20年以内

たとえば、福祉費は最終貸付日から半年間は返済をしなくても問題ありません。希望があれば据え置き期間を早めることも可能です。

返済期間は社会福祉協議会の相談員と話し合いで決めますが、上記の表に記載されている返済期限内に返済が終わるようにしなければいけません。

返済方法

銀行口座から自動引き落としにより返済となります。自治体によっては銀行口座に指定があるところもあります。

返済期日は社会福祉協議会が指定した日にちとなります。

返済が遅れた場合

万が一、返済期日までに引き落としできなかった場合、1回目は特に督促などはありません。後日、社会福祉協議会から振込用紙が送られてきますので、それを使って支払いを済ませてください。

2回目も延滞した場合は電話または手紙で督促されます。連絡がつかない場合は自宅訪問もあります。

3回目も延滞すると、社会福祉協議会から窓口へ来るように連絡があります。

定められた返済期限を過ぎてしまった場合は延滞利子が発生します。ただし、自治体によっては利子を取ることはほとんどないところもあります。

返済が難しい場合は、社会福祉協議会に相談することです。相談に応じて返済期限を延ばしてくれることもあります。

生活福祉資金貸付制度のメリット・デメリット

生活福祉資金貸付制度のメリット・デメリットについて見てみましょう。

メリット

生活福祉資金貸付制度のメリットは次のとおりです。

  • 無利子または無利子に近い利率で借りられる
  • 返済開始まで余裕が持てる
  • 返済期限が長めに設定できる(10年~20年)
  • 返済を遅延しても信用情報に傷がつかない
  • 厳しい督促がない

メリットはやはり超低利子でお金を借りられることです。原則連帯保証人が必要ですが、用意できなくても問題なく借りられますし、その場合でも利子は年1.5%とカードローンとは比べ物にならないくらい低利です。

また借入した翌月に返済開始ではなく、一定の据置期間が設けられていますので、返済に余裕が持てます。返済期間も最長20年と無理なく返済できるのもありがたいです。

デメリット

生活福祉資金貸付制度のデメリットは次のとおりです。

  • 利用条件が厳しい
  • 必要書類が多く、手続きが面倒
  • 貸付までに時間がかかる
  • 貸付後も社会福祉協議会に出向かなければいけない

生活福祉資金貸付制度は利用条件が厳しいです。全ての条件をクリアしていないと貸付を受けることはできず、そのうえ用意する書類が多く何度も社会福祉協議会の窓口に出向かなければいけないので非常に手間がかかります。

また貸付が開始になるまで早くても1ヶ月近くかかりますので、緊急でお金が必要なときは頼ることができません。

生活保護の条件や手順を確認

生活保護は、低所得者世帯・障がい者世帯・高齢者世帯が受給することが可能です。低所得者世帯は文字通り所得が少ない世帯で、金融機関などからお金借りることができない世帯と定められています。

障がい者世帯は、身体障碍者手帳や療育手帳、精神障碍者保健福祉手帳が交付されている世帯です。高齢者世帯は、65歳以上で療養や介護が必要な高齢者が対象です。

このような人たちが利用可能な生活保護の内容について、その条件や手順を確認しておきましょう。

生活保護の窓口

生活保護を受けるためには、お住まいの地域を管轄している社会福祉事務所の生活保護担当課に相談する必要があります。

もしもお近くに社会福祉事務所がなければ、町役場や村役場に相談すると良いでしょう。生活保護の申請をすると、本当に生活保護が必要なのかの調査が行われます。

資産を保有していないかや、親族から仕送りしてもらうことができないか、金融機関から借り入れ可能な状況ではないかなど、しっかりと調べられます。

生活保護の受給条件

生活保護の受給条件は「世帯全員の収入が生活保護基準の額を下回っている」「病気やケガによって働くことができないため、収入がない」「住宅や車、貯金などの資産が全くない」「仕送りなどによって生活を助けてくれる身内がいない」「他の制度を受けることができない」などがあげられます。

これらいずれかの条件を満たしている場合には、生活保護を受けることができる可能性が高いのですが、申請をした後に、条件を満たしているかどうかが調査されることとなります。

生活保護者受給の手順

生活保護申請は以下の4つの手順で行います。その手順を順番に見て行きましょう。

《手順1.相談》
・社会福祉事務所に相談に行き、書類を受けとります。事前に収支や資産状況を整理しておくとスムーズです。

 ↓

《手順2.申請》
・生活保護の申請書を提出します。内容に不備がないか念のため確認の上で申請しましょう。

 ↓

《手順3.調査》
・面談や家庭訪問が行われ、生活保護受給の条件に見合っているかどうかの確認が行われます。他の制度の利用ができないかも含めて審査が行われます。

 ↓

《手順4.決定・却下》
・申請書提出後14日以内に決定か却下が通知されます。もしも却下され、納得がいかない場合は、不服申し立てや決定内容の審査を求めることが可能です。

生活保護者がお金借りる場合の注意点

生活保護受給者が借金をしたい場合には、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか?ここでは「内緒でカードローンを利用しない」「闇金を利用しない」「借金する場合はケースワーカーに相談する」「生活保護の受給が終わってから借金する」について紹介します。それぞれの内容を見て行きましょう。

内緒でカードローンを利用しない

生活保護受給者は、内緒でカードローンの利用をしてはいけません。

さきほども紹介したように、もしもバレてしまってはその分生活保護の受給額が減額となるだけでなく、重いペナルティーを科せられる可能性があります。

また、生活保護を受けている状況の場合は、そもそもカードローンの審査に通らないので、内緒でカードローンを申し込む意味はありません。

闇金を利用しない

カードローンが借りられないとなると、闇金を利用したくなるケースもあるでしょう。

しかし、闇金に手を出してしまうと、いつまでも完済できないように誘導されたり、法外な金利に苦しめられたり、厳しい取立てに悩まされることになります。

一旦利用すると借金の無限ループに陥りますので、どのような状況だったとしてもヤミ金業者から借りてはいけません。

借金する場合はケースワーカーに相談する

どうしてもお金に困った場合には、自分の判断に頼らずにケースワーカーに相談しましょう。内緒でお金を借りて自分の首を絞めるよりは、専門家に相談してアドバイスをもらった方が確実です。

一旦内緒でお金を借りてしまうと、ウソを隠すために新たなウソをつかなくてはならなくなり、借金以外の余分なことに腐心する必要が出てきます。困ったらケースワーカーに相談するようにしましょう。

生活保護の受給が終わってから借金する

生活保護の受給が終わった時には、カードローンの利用を検討しても良いでしょう。生活保護を受けたことによって自立したからといって、すぐに生活が軌道に乗るとは限りません。

生活へのテコ入れや、自立のための一時的な借入として、カードローンが有効に働くことがあります。

計画的な利用が前提となりますが、自立支援の手段としてカードローンを活用するのも良いかと思います。

特に、一定期間無利息サービスをしている業者は、短期間の借入がお得ですので、賢く活用することが可能です。

まとめ

生活保護受給者は、原則的にはお金借りることはできません。そもそも生活保護の受給条件と矛盾してしまいますので、生活保護受給者は借金ができないのです。

もしも内緒で借りてしまった場合には、生活保護の減額だけでなく、不正受給という扱いになってしまいますので、注意が必要です。

カードローンを自立の手段として利用する場合は、生活保護受給が終わってからにしましょう。生活保護で立ち直りかけた時のテコ入れとして活用すると良いかと思います。

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